Valenciennes Träumereien

ワクワク、ドキドキ、ときめいたり時には悩んだり。アラフィフ主婦の愛と勇気と愛しい声と。

151104 イル・トロヴァトーレ@Metライブビューイング

祝!ホロさん舞台復帰っ おめでとうございます!!

6月末に脳腫瘍(今回の感想を検索してたら脳梗塞とか脳卒中と間違えていらっしゃる方もちらほらいましたけど・・;)罹患を告白し、現在もまだ治療中のディミトリー・ホロストフスキー氏の復帰公演ということで、今シーズン初めてのライブビューイングに行ってきました。

いつも行ってた横浜の映画館が閉鎖してから新しく桜木町の横浜ブルグに変わったのは、場所的にはいいんですけど、7月にROHのライブビューイングで行った時にいまひとつかも・・と思ったので(決して上演に不満があったからだけではないノヨ) 新規開拓!ということで、東劇まで行ってみました。あそこは広いんですねえ〜〜 平日の午前の部ということもあり、3分の1くらいの入りだったと思います。場所柄、おハイソな年配の方が多いかな・・と見受けました。通常は夕方からの上映が多いですが、演目によっては1日3回とかいうものもあり、そういう時にはお芝居鑑賞気分が味わえて使えるかも・・と思いました。

で、上演の感想ですが; まーもう、ホロさんとネトレプコに尽きるかなと。 ネトレプコザルツブルグの映像を視聴した時に、こういうレオノーラを待ってたのよ!と思わせてくれたんですが、今回も納得の出来。4幕の「恋はバラ色の翼に乗って」はちょっと粘りすぎで間延びした印象もありましたが、自在に声をコントロールし、スケールの大きな歌唱で唸らせてくれました。 インタビューで「すっごく、すっごく難しいんだけど、この役に夢中なのよ!」と言ってましたが、うんうん、そうだろうねえ〜〜とニヤニヤしちゃったり(息子さんが可愛い・笑) なんと言っても彼女は雰囲気美人。もう、むっちむちで肝っ玉母さんのような貫禄ですけど、舞台姿に気品があります。衣装もよく似合っているのよねえ〜〜

ホロストフスキーは休養明けの状態がプラスに働いたのでしょう。もともと彼のルーナ伯爵は(ファンの方には申し訳ないんだけど^^;)ロシアものよりもうんとうんと彼に合っていて、彼の一番の当たり役だと思っているのですが、 2011年よりから役を練り直して、更に進化しているのが凄い。彼の強靭な集中力と精神力に対して心から賞賛を送りたいです。

ルーナ伯爵って意外に純情というか、ぶっとんだ変態的なことを言ってる割には、レオノーラがマンリーコと間違えて抱きつこうとした時に一瞬「えっ?聞き間違いじゃないよな?い、いいのか?俺のことだよな?!」みたいな表情を見せたりするし (その後の怒り方がね・・その落差が変態的^^;) 口では「神がライバルでも俺が奪ってみせる!」とか息巻いてますが、彼は決して、レオノーラに無理強いはしてないんですよね。(誘拐はしようとしてるけど)

4幕の二重唱でも(たとえマンリーコを救い出す為の策略とは言え)「あなたに身を捧げます」と言い出したのはレオノーラの方であって、彼の方から手を出しているわけではない。

なんと言ってもIl balen(君の微笑み)のメロディも歌詞も、あの作品の流れとして聞くとちょっと浮くぐらい、すっごい綺麗な恋の歌なんですよね。 これは9月25日・初日の時の歌唱だそうです(クリップ作成は娑羅さん♪) 歌詞を見ながら聞いてみると、ほんとうっとりします💕

https://www.youtube.com/watch?v=cFA__QOiy08

彼女の笑顔の輝きは 星のきらめきにも勝っている! 彼女の美しい顔の華やぎは 私に新たな勇気をくれる!… ああ!この愛、燃え上がる愛よ 彼女に語りかけておくれ 私のために! 払いのけておくれ 彼女の瞳の中の太陽よ 私の心の中の嵐を (訳:オペラ対訳プロジェクト様より

↑とても性格異常者のセリフとは思えません! 地位も名誉もある立派な男が一人の女性に心を奪われている様子、恋する男としての高貴なルーナ伯爵の人物がくっきりと浮かび上がってました。 今回、ホロストフスキーはこのアリアの後、万雷の拍手に応えながら涙を浮かべていましたが、彼の胸中を慮るとこちらも胸が熱くなりました。

今回、リハーサルでは4幕の二重唱の後、レオノーラから伯爵にキスしちゃってて、それはいいのか?アリなのか?!と仲間内で話題になってたんですけど(笑) https://www.youtube.com/watch?v=8QeKn6V2wag ネトレプコ・レオノーラも真に迫った懇願だったし、あの色っぽい2重唱の〆として、本番でもレオノーラから仕掛けた方が、リアリティが増したかもしれないな・・と思ったり。。。(ムフフ💕) いずれにしてもこの場面、今回の演奏の白眉だったと思います。

マンリーコのヨンフン・リーは・・・ゴメンなさい、私、2011年のHDでマルちゃん(マルセロ・アルバレス)のマンリーコに惚れ込んだので、どうしてもマルちゃんと比較してしまい・・せっかく今回これだけ役者が揃ったのに、ああああ、これでマンリーコが・・と随所で思ってしまいました。

リーは声はいいと思うんですが、どうしても体格が薄いのと いかんせん表情が乏しい(顔の表情+歌のニュアンスも)のと、演技がワンパターンなのが・・; 恋人に語る時も、恋敵に宣戦布告する時も、お母さんと語り合う時も全部一緒なんですもの。それはないでしょう!と言いたくなってしまいます。 舞台で見る分にはそんなに細かいところまで気にならないのかもしれませんが、ライブビューイングでは細部まで写ってしまいますからね。もし彼が今後もHDに出演するのならば、それ向けの演技も工夫して欲しいです。

アズチェーナのザジックはいつもながら手堅く。ちょっとこの役には声が高いのかな〜とも思うんですけど、ね。 こっつあん(フェランド)は4年前よりも腹回りが立派になりましたな(見逃さなかったぞよ・笑) 彼、ふとした瞬間に私のご贔屓さんと面差しが似て見える時があるんですが、なぜこれほどまでにときめかないのでしょうw

あ、あとイネスが前と同じ人で良かった〜彼女可愛くて好きです💕(ラセットの蝶々さんの映像ではスズキ歌ってますよね)ルイスもいい味出してたし。脇が揃っているのも嬉しかったです。

字幕を追いながら見ると、どの登場人物もアリアではなかなか含蓄深いことを語っているのに、トータルで見るとどうしてこうも荒唐無稽のストーリーに感じられるんでしょうねえ・・それがこの作品の魅力でもあるんですけど(笑)

***************** 2015年11月4日@東劇にて鑑賞 【MET上演日:2015年10月3日】

<出 演> マンリーコ……………..ヨンフン・リー レオノーラ……………..アンナ・ネトレプコ ルーナ伯爵………..ディミトリ・ホヴォロストフスキー アズチェーナ……………..ドローラ・ザジック フェルランド…………….ステファン・コツァン Ines………………..Maria Zifchak Ruiz………………..Raul Melo Messenger……………David Lowe Gypsy……………….Edward Albert

<指 揮> マルコ・アルミリアート

<演 出> デイヴィッド・マクヴィカー

***************** おまけ・今回のトロヴァトーレ関連選り抜きツイート

https://twitter.com/valen_vino/status/647070275553509376

https://twitter.com/valen_vino/status/661852634979024899

https://twitter.com/valen_vino/status/661852190777077760

https://twitter.com/valen_vino/status/661853996940787712

https://twitter.com/valen_vino/status/661854546818281473

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