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手作りの海外一人旅

Valenciennes Träumereien中の人の旅行メモ用。人生のスパイスは愛と勇気と愛しい彼の声。ファン歴13年目のロシア人バス歌手アレクサンドル・ヴィノグラードフのファンサイトもヨロシクお願いします♥

150403 イオランタ/青髯公の城@Metライブビューイング

平日にしてはそこそこの客入り。最終日効果か、ネトちゃん効果か(笑) ライブビューイングに行ったのはおよそ一年ぶり、去年の今頃やったイーゴリ公以来です。最近は頭打ち感もあり、余程のことがないと足が向かないんですが、やっぱりロシアものの時は字幕の確認も兼ねて行きたくなりますね^^; 今回は複数のフォロワーさん達が、こぞって面白かったと仰ってたので、背中を押された感じでした。どうもありがとうございます。

あ、ちなみに私

https://twitter.com/v_valencienne/status/583905993186086912

というわけで、演出家の意図を汲み取ることはできませんでしたけど(笑) でも、自分なりに両方ともすっごく楽しめました(^^)

【イオランタ】

150407-001筋と音楽を軽くなぞっている程度。ハッピーエンドだし、途中かなりご都合主義的で、物語にあまり深さがないかな〜〜 音楽もきれい過ぎて、いまいちのめり込めない…と、少し手を出したままで止まってました。 完全にこの作品を甘く見ていた…と猛反省;;チャイコフスキー先生ごめんなさい^^;

字幕付きで歌詞をきちんと追って観て聴くと、 イオランタの侍女マルタと門番のベルトランが夫婦だということもわかりましたし(笑) なにより、胸に迫って来る所がいーっぱい! 特に怪しげな医師エブン=ハキアの「肉体と精神を切り離して考えることはできない」「見るという意思が治療には不可欠」云々の含蓄深い台詞と ヴォデモンとイオランタとの二重唱での、二人の対照的な自然への描写。生きとし生けるものたちへの畏敬の念・・そこに呼応するロシア語の美しさ。

ふと、映画「ドストエフスキーと愛に生きる」で私が一番心に響いた場面・・・自然描写はロシア語での表現にかなわない・・というようなくだりを主人公のスヴェトラーナさんが語るシーンが頭をよぎり、なんだかウルウルと。

ロシア語は「いのちのあるもの」と「ないもの」を厳格にわけて考える言語ですけど、もしかしたら見えないイオランタの世界は「不活動体」で 見えているヴァデモンその他の人々の世界は「活動体」というように、台本自体が無意識のうちにそういう構成になっているのかも・・と感じました。

なので、父親からの抑圧?カンキン?!なーんて深読み云々・・ということよりも、もっと根源的な、ロシア人の自然賛美、生命賛美なんだわ〜〜〜と、じわじわ感じていたというわけです。 そもそも、設定は「プロヴァンスの王」とか「ブルゴーニュ公」とか「ブルターニュ地方の貴族」とか「ロレーヌ公国の令嬢」とか、おフランスで満ちあふれているのに、聞こえてくる音楽からイメージするのは、どう頑張ってもロシアの森でしょ(^_ー)ロシアンスピリット万歳!だわよ〜〜

ネトレプコはまあ、現在この役では他の追従を許さないでしょう。もう少し痩せたら?との声も飛び交ってますけど(^^;あの厚みゆえの声かな・・と思います。 イオランタという役自体、とらえどころがない不思議ちゃんみたいな雰囲気で、確かにもう少し声の細い可憐な感じの方が合いそうですが、彼女の表現力とあのぐらいの強い声で歌われると説得力が増します。役の筋が見える・・とでもいうか。 演技も、ちゃんと少女に見えますし(笑) (意外にも?!おみ足は細いのね〜〜と青いドレスから覗く足首チェックしていた私^^;)

150407-002ベチャワの快活な青年っぷりもまだまだ健在。ユニクロ風の薄っぺらいダウンとスキー板も似合っていましたし(^^; アリアでは、歌唱にちょいと「慣れ」が見え隠れしててムムム・・・と思ったんですが、イオランタとの二重唱の盛り上げ方など、さすがに巧い。彼は独りよがりで歌うタイプではなく、相手の歌を見て聴いて歌える人だな・・とつくづく思いました。

レネ王のイリヤ・バーニクは代役とのことですが、風貌的には寧ろ、抱き合わせの青髯公にピッタリだったかも。青白くてひょろっとしてて。この演出ではレネ王と青髯は表裏一体的な役どころと捉えることも可能なので、そういう意図としては合っているのかもしれませんが、 う〜〜〜ん、私はもっと王様は慈愛に満ちた感じのほうが、やっぱり収まりがいいと思うんですが。

歌詞をちゃんと追って聴くと。王様のエゴは娘かわいさのあまり・・と素直に思えませんか?けっこうお間抜けですし(笑) エブン=ハキアにはたじたじだし、イオランタに見たい!と思える意思を芽生えさせようとしてヴォデモンをダシにして思いを遂げさせようとするところとか、最後には自分はもう年老いているから、これからはこの方がお前を守って下さる・・と、ちゃんとヴォデモンに娘を託すところとか。

ふつ〜〜〜に読んだら、素直に、ああほんっと、娘がかわいいんだな・・って思ってるパパじゃないですか!!! だから最後の大円団で、王様だけが後ろ向いて最後にあんなこっわい顔して仁王立ちしなくてもいいと思うんですけど、ね。

出演: アンナ・ネトレプコ(イオランタ) ピョートル・ベチャワ(ヴォデモン伯爵) アレクセイ・マルコフ(ロベルト) イルヒン・アズィゾフ (エブン=ハキヤ) イリヤ・バーニク(レネ王)


【青ひげ公の城】

こちらは筋だけは知ってたけど、実は音楽として聴くのはまったく初めて。予習をがっちりしていないと落ち着かなくて結局楽しめないクチですが、今回は珍しく、ちゃんと楽しめました!劇の進行がスリリング故「次どうなるんだろ?」が音楽的にも巧く作用したかもしれません。

150407-003ユディットのナディア・ミカエルはメゾ時代の11年前に、ベルリン国立歌劇場でエボリを聴いて以来。エボリでも高音域がちょっときつそうなイメージの彼女が数年後にソプラノに転向したと知ってビックリでしたが、美しい容姿と肢体も相まって、この役にははまり役でしょう。ちょうど歌いやすい音域なのかも。中低音の響きにはゾクゾクさせられました。

ただ、彼女はインタビューで「ユディットは性を超越している」云々の主旨のことを言ってましたが、私はユディットはまさに女性性そのものの象徴のような気がします。 怖いけど、愛した男の全てを知りたい、過去の女も知りたい(知ったら嫉妬するくせにね〜〜^^;)その先はどうなる?!知ったら死が待っているような気がするけど、私なら彼を変えられるかも・・一緒に生きられる希望も・・という、憧れとでもいうか、そういう欲求もまた、生への渇望の裏返しかもしれません。

150407-004そんなにまでユディットに愛される青ひげ公のミハイル・ペトレンコですが、まー多数のアラフォーロシア人男性のご多分に漏れず、数年前の面影まったくナシですな^^; (5年前のボリスでの、敏捷すぎる白髪老人ピーメンが懐かしい。。。) インタビューの素の時なんて、一瞬演出家をペトレンコだと勘違いしてしまったくらいで、ナディアさんの隣にいるあなたは誰?!と思っちゃいましたわよ。。。

でも化けますね。去年のイーゴリ公での、爪楊枝しーしーガリツキー公(笑)はやんちゃキューピーそのものでしたけど^^; 今回はこれまた別の意味で「あなた誰?!」と思っちゃったくらい、かっこ良かったですよ。こういう役で聴くと、音色が明るいバスなんだなあと思います。

やっぱり、レネ王と青ひげ公が入れ替わっていた方が、(容貌も声的にも)私のイメージには合っていると思いましたです(笑)

出演: ナディア・ミカエル(ユディット)、 ミハイル・ペトレンコ(青ひげ公)

(おまけその1:11年前のベルリン国立歌劇場でのルネ・パーペ@フィリッポ&ナディア・ミカエル@エボリ姫の美しき濡れ場・(キャ!)

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(おまけその2:ほんの数年前のミハイル・ペトレンコ)

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